運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~

旅行2日目は、函館市内など街の観光をする予定。

歴史を感じる洋館の建物や、丘の上から海を見下ろす美しい景色に感動していた。


そして私は、昨日龍崎さんから指輪をもらったこともあり、この人の妻になったことを少しずつ実感していた。

私もこれから龍崎なんだ…

(…龍崎さんを呼ぶときは“圭吾”と言っていたが、心の中では“龍崎さん”がしっくりとしてた。でも、これからは“圭吾”と心から言える。)

そんな自分が嬉しく笑みがこぼれる。
私は圭吾に腕を絡ませた。

「…恵美、なんか嬉しそうだね?」

「…うん、いろいろ嬉しくって!」

圭吾はそんな私を、少し不思議そうに見ながら優しく微笑んでくれる。



街を歩いていると、前から白い服装の男性達とすれ違った。
修道院の修道士の方々のようだ。

穏やかな表情の修道士とすれ違った。
しかし、突然一人の修道士が大きな声を上げた!

「あ…あ…あなたは…まさか!!」

圭吾が驚き振り返ると、修道士はブルブルと震えている。
すると、どこから出したのか、ナイフのようなものを出した。


「お前は…ルシファー…悪魔の!!」

その男は圭吾にナイフを向け、すごい勢いで走ってくる。

(…圭吾!!危ない…刺される!!)


--------その時!!


白くふわっとした影が、修道士のナイフを押さえたように見えた。
恐怖でぎゅっと閉じた目をゆっくり開けてみる。

「…早乙女さん!!」

早乙女さんはナイフを掴み、その手からは血が流れていた。

修道士は早乙女さんを見て、さらに目を見開いて驚いている。

「あ…あなたは…大天使様…ミカエル様の生まれ変わりでは?」

「もう…このようなことは、辞めてください。彼は私たちの敵ですが、私の兄なんです。逆らう前は、神が一番愛した大天使だったのですよ。」

早乙女さんは、圭吾の肩に手を乗せながら話している。

修道士たちは全員、跪いた。

< 72 / 100 >

この作品をシェア

pagetop