運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
旅行2日目は、函館市内など街の観光をする予定。
歴史を感じる洋館の建物や、丘の上から海を見下ろす美しい景色に感動していた。
そして私は、昨日龍崎さんから指輪をもらったこともあり、この人の妻になったことを少しずつ実感していた。
私もこれから龍崎なんだ…
(…龍崎さんを呼ぶときは“圭吾”と言っていたが、心の中では“龍崎さん”がしっくりとしてた。でも、これからは“圭吾”と心から言える。)
そんな自分が嬉しく笑みがこぼれる。
私は圭吾に腕を絡ませた。
「…恵美、なんか嬉しそうだね?」
「…うん、いろいろ嬉しくって!」
圭吾はそんな私を、少し不思議そうに見ながら優しく微笑んでくれる。
街を歩いていると、前から白い服装の男性達とすれ違った。
修道院の修道士の方々のようだ。
穏やかな表情の修道士とすれ違った。
しかし、突然一人の修道士が大きな声を上げた!
「あ…あ…あなたは…まさか!!」
圭吾が驚き振り返ると、修道士はブルブルと震えている。
すると、どこから出したのか、ナイフのようなものを出した。
「お前は…ルシファー…悪魔の!!」
その男は圭吾にナイフを向け、すごい勢いで走ってくる。
(…圭吾!!危ない…刺される!!)
--------その時!!
白くふわっとした影が、修道士のナイフを押さえたように見えた。
恐怖でぎゅっと閉じた目をゆっくり開けてみる。
「…早乙女さん!!」
早乙女さんはナイフを掴み、その手からは血が流れていた。
修道士は早乙女さんを見て、さらに目を見開いて驚いている。
「あ…あなたは…大天使様…ミカエル様の生まれ変わりでは?」
「もう…このようなことは、辞めてください。彼は私たちの敵ですが、私の兄なんです。逆らう前は、神が一番愛した大天使だったのですよ。」
早乙女さんは、圭吾の肩に手を乗せながら話している。
修道士たちは全員、跪いた。