運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~

亮はトイレの前で私の腕を掴んだ。

「い…いいえ…大丈夫です…一人で帰れるから!」

私は急いで逃げようと思い、亮の腕を振りほどこうとする。

すると、今まで笑みを浮かべていた亮の目が変わり、睨みつけて来た。


(…っえ、なんか恐いこの人…)


「送るって言っているのが、分からないのか?」


亮は私の腕を掴み、お店の外へ連れ出した。
店の横にある、静かな路地に私を押し込む。


「な…何を…するの…止めてください!」

亮は私の後頭部を掴み、無理やり口づけをしてきた。

「う…うぐ…うっ」

口を塞がれ、声が出ない。

すると突然、聞いたことのある声が聞こえた。



「嫌がっているだろ…止めろよ!」

その声は!

「…健斗!!」

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