運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
ランチ時間が近くなると、毎日京子からメールが届く。お昼ご飯をどこで食べるか決めるためだ。
その日は京子の彼が仕事で近くに来ているので、一緒にご飯を食べようと連絡があったらしい。
“今日は彼氏が会社の近くに来ているから、ランチ誘われちゃって、ごめんね!一緒に行けない。”
“は~い。了解だよ!”
本音を言えば、いつもランチの時間は、京子の愚痴や惚気話を聞く時間だったので、私は少しホッとしているところもある。
ただ、その話を聞く事も嫌では無いのも事実だ。
「久しぶりに近くの公園でお弁当食べようかなぁ」
私は小声で独り言を呟きながら、12時迄の仕事を急いだ。
ちょうど12時少し前に仕事も一段落することが出来た。
「さて…お弁当買って公園に行こう…」
公園に行く途中には、私のお気に入りのパン屋がある。
そのパン屋で使われているクリームが絶品で、考えるだけでも笑顔になってしまう。
そこでクリームたっぷりのフルーツサンドとコーヒーを購入した。
久しぶりのフルーツサンドが楽しみで、思わず笑みが漏れてしまう。
歩いていると、後ろから誰かに呼び止められた。
「鈴木さん…外でランチですか?」
私は驚いて声のする方を見ると、そこには笑顔の龍崎部長が立っていた。
なぜか、急に緊張してしまう。
私の緊張は、表情にも出ていたようだ。
「鈴木さん、そんなに僕を怖がらないで欲しいな…これから外でランチですか?僕も外で食べようと思って出たのだけど、この辺で良い所あったら教えてくれるかな?」