運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
真っ暗で何も見えない。
寒い。
私…死んじゃうのかな。
誰かが、私の手を握っている。
温かい手。
最後に圭吾に会いたかったな…
微かに声が聞こえる…
私の名前かな…
低くて…優しい声…
「恵美…恵美…恵美…」
誰だろう…
重い瞼が、少し開きそう…
眩しい光…
「め…めぐ…恵美!!」
私はゆっくりと目を開けることが出来た。
(私…生きているの?)
私の手を握り、横にいるのは?
圭吾が、私の目の前にいるの?
「…け…い…ご?」
「…恵美…わかるか…恵美!!」
心配そうな顔で私を覗き込んでいる。
「…会いたかった…圭吾に。」
「ずっと…ずっと…ここに居るよ…恵美…すまない。」
(…圭吾…泣いてるの?…)
どうやら、事故は3日前。
私は病院のベットで3日間眠り続けていたようだ。