運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
『ゴホッゴホッ…』
後ろから咳払いが聞こえた。
圭吾の後ろに目を向けると、早乙女さんと京子が来てくれていた。
京子が泣きながら近づいてくる。
「…恵美、ごめんなさい。こんなことになるなんて。合コンで、襲われていた事を後から聞いたの!本当にごめんなさい!」
「京子、大丈夫だよ。もう済んだことだから、泣かないで。」
私は京子の手を握った。
京子の手は温かいが、震えている。
思い出したように、京子がもう一度話し始めた。
「そういえば、恵美を襲った“亮”っていう男はね、あの日の帰りに、酔って電車のホームから落ちて、大怪我をしているらしいよ。」
「…っえ!」
驚く私を見て、早乙女さんが口角を少し上げて話した。
「きっと…罰が当たったのだろうね…」
(…早乙女さん、あなたなのですか?)