運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
入院から2週間後…

私は退院することが出来た。
車に跳ね飛ばされたが、奇跡的に骨折もなく、後遺症もなかった。

久しぶりに病院から外に出ると、太陽が眩しく、風が心地よい…

入院していた所為か、当たり前の毎日が、今はすごく尊いと感じる。

入院中お世話になり、仲良くなった看護師の美樹さんが玄関まで送ってくれた。


「恵美さん、退院おめでとう。入院中にいろいろ話が出来て楽しかったよ。今度はぜひプライベートで会いましょうね!」

「美樹さんには本当にお世話になりました。また絶対お食事行きましょうね!」


病院の入り口には、圭吾が迎えに来てくれていた。
優しいピンクのバラの花束を用意して立っている…

(…バラの花束を持つ圭吾は、とてもカッコよく絵になる…)

看護師や周りの女性たちの注目を集めている。

美樹さんは、圭吾を見つけて私に早く行けとばかりに背中を押した。
圭吾は私を見つけると笑顔で近づいてくれる。

「…恵美…退院おめでとう!」

圭吾からバラの花束と、優しいキスが贈られた。

「圭吾…カッコ良すぎるよ…」

「…そう?」

「…うん。」

「惚れたか…?」

「もちろん!」

私は圭吾の首に腕をまわして飛びついた。
驚いた圭吾は少しよろけるが、すぐに抱きしめてくれる。

「恵美、家に帰ろうか…」

「…うん。」

一時はもう会えないと思った…
でも、最後に会いたかったのは。

間違えなく圭吾…貴方だったよ。




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