運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
気になる過去
久しぶりに朝からゆっくりした休日。
私は気持ちの良いベランダのテラスで、お昼寝をしてしまったようだ。
私の上にはブランケットを掛けてくれている。
(…きっと圭吾が掛けてくれたんだ…優しい…)
暫くすると、キッチンから美味しそうな香りがして来た。
香りにつられて、キッチンを覗き込んでみると、圭吾が食事の用意をしてくれていた。
作っていたのは、美味しそうなトロトロ卵のオムライスのようだ。
ちょうど最後の盛り付けと、デミグラスソースを上から掛けようとしている。
「圭吾!すごい!美味しそう!!」
「…うん。俺が学生の時にバイト先で教えてもらった自信作なんだ!」
「へぇ…圭吾の学生時代もカッコ良いだろうね。女子から人気あっただろうなぁ…」
「また妬いているのか…?」
「ち…違います!」
学生時代の圭吾って、どんな感じだったんだろうと考えてしまう。
(確か…早乙女さんと一緒だったんだよね…)
(その頃の彼女とか…きっと居たよね…)
そして、以前に圭吾が話してくれたことを思い出した。
(…彼女というよりも、結婚してたんだよね…)
昔のことを気にしても仕方がないが、考え始めるとすごくモヤモヤとした気持ちになる。