運命の恋人 ~上司は美しい悪魔の生まれ変わりだった~
“トントン…トントン…”
突然、慌てて戸を叩く音が聞こえた…
ガラッっと勢いよく戸を開けて、入って来たのは圭吾だった。
「め…め…めぐ…み、大丈夫なのか…」
声を震わせ、心配そうに私を覗き込んだ…
「…圭吾、あ…あのね…」
「恵美、やっぱり言わなくていい…後で聞く…」
「…なぜ?」
「倒れて、意識がないなんて…あまり良くないだろ…後でゆっくり聞くよ…」
圭吾は、私の手を握って、心配そうにしている…
重い病気と間違えているようだ…
私は思わずブッと笑ってしまった…
圭吾は不思議そうな顔をしている…
「圭吾、大丈夫だよ…それよりも、伝えたいことがあるの…」
「…うん、どうした。」
「…私ね…子供が出来たの…」
「…子供?…どういうこと?」
「…だから、圭吾と私の赤ちゃんが出来たの!」
圭吾は、驚きで声が詰まり、動きが止まった。
暫くの沈黙後…
圭吾の反応が…恐い…
次の瞬間、圭吾は溶けるような笑顔で私を抱き締めた。
「…恵美、ありがとう…嬉しいよ…」
「…うん。…良かった喜んでくれて…」
「喜ばない訳が無いだろ!」
「ありがとう…圭吾…」