【完】夢見るマリアージュ

今でも私の目標は、北斗さんの隣に居て恥ずかしくない人間でいること。 こんなに好きなのに、どうして逃げ続けているのか。

変わらなくてはいけなかったのは、心の方なのに。

はっきりと否定は示したはずなのに、何故か木島さんは私の手をぎゅっと握りしめた。 上目づかいでこちらを見つめる、その瞳はいつもとは違い鋭く一瞬ぶるりと武者震いしてしまう。

「えー、それって酷くない? 俺の事を何も知らないのにナイとか傷つくし」

ああ、確かにそりゃあそうだ。 こんなの、あんまりだ。 ふとあの時の青柳さんの告白を思い出した。

あの時の北斗さんは合わないって言って即座に断っていた。

それに対し青柳さんはお互い知らないのに、と言っていたんだっけ。 まるであの時と同じような状況だ。

でも分かる、これは感覚的なものなのだけど
私と木島さんは’合わない’と思う。

きっとこれから同じような時間を過ごしたって、絶対に好きになれない。恋愛としての好意は持てない。

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