【完】夢見るマリアージュ
「クシュッ…!」
「ご、ごめん、本当にごめんね。寒いよね。これ、城田さんの荷物とコート持ってきたから。
ごめんなあ…考えなしで連れ出しちゃって」
「いえ…わざわざありがとうございます……」
北斗さんがふわりとコートを肩から掛けてくれた。
見上げる彼の表情はどこか切なげで、目を細めて少しだけ困ったような顔をしていた。
「勝手な事ばかりして、ごめん」
「いいんです。飲み会はちょうど帰ろうと思っていた所だったし…
荷物ありがとうございます。」
「……木島くんと話している時だったのに、それもごめん。
でも俺…木島くんと城田さんが二人きりで話してるのを見て気が気じゃなくって……
焦ってしまって、かっこ悪…。
何か最近俺、城田さんに避けられているような気がして…
きっと俺が言った事でずっと悩ませちゃってたんだよな? それもごめん…」