【完】夢見るマリアージュ
「それは聞きましたけれど……それが北斗さんのご両親なんて…!
今日いきなりそんなの困ります…。
私こんな格好だし……絶対に北斗さんのご両親にがっかりされるに決まっている!
その前に、阿久津社長は私の会社の社長ですし…いち社員の私のような女がまさか北斗さんに手を出したなんて知れたら
それこそ私会社を首ですよぉーーーーッ」
顔を真っ赤にさせて叫びだす彼女を前に、フフッと笑みが零れ落ちる。
やべ、可愛い。
どうして君はそんなに可愛らしい生き物なのだろうか。
俺の笑みを前に、城田さんは困った様に眉毛を下げて不安そうに唇を噛みしめる。
「大丈夫。まだ手は出していない。 いや、出されていない、か。
そう考えたらワクワクしてきちゃったな。 まさか城田さんが俺に手を出そうとしていたなんて
その日の事を考えると嬉しいよ」
にこりと微笑みかけると、更に彼女は頬をぷくりと膨らませて怒った振りをして恥ずかしがる。