【完】夢見るマリアージュ
サラサラの茶色の長い髪に、大きな栗色の瞳で華奢で女の子らしい。
ふんわりと花の香りが漂って、私の隣に座った青柳さんはにこりと微笑みを作る。
「営業の城田さんだよね? それに岸田さんも話すのはお久しぶりです」
声まで高音で可愛いとは…。
青柳さんはにこにこと笑いながら私と岸田さんを交互に見つめた。
「事務の青柳 雫といいます。
私前から城田さんとは話してみたいなあーって思っていて」
「へ?私とですか?」
「ええ。すごく可愛らしい子がいるなあと思っていて」
「私なんて全然全然ですッ」
まさか……会社の高嶺の花二人に囲まれて、可愛いと言われるわけない。
むしろ可愛い訳絶対ないから!!!!
否定するようにぶんぶんと両手を振ると、青柳さんは愛らしい微笑みのままこちらへ笑いかける。
女の私から見ても見惚れてしまう程可愛い女の子だった。