【完】夢見るマリアージュ
「私にですか…?」
「勿論。」
「そんなの…全然いいのに。でもすごく嬉しいです。北斗さんありがとうございます」
「女の子へのプレゼントなんて何を贈ったらいいか全然分からなかったから…俺の方こそ喜んでもらえるか分からないんだけど」
「北斗さんから貰えるなら何でも嬉しいです…!」
頬を赤くし顔をくしゃくしゃにさせた彼女の手を取ると、てのひらの上にポケットに入れて置いたプレゼントの箱を置く。
女の子の好みは分からない。
欲しい物なら何でも買ってあげたいが、彼女が高級な物を喜ぶとは思えなくて
悩みに悩んだクリスマスプレゼントはプレゼントの定番となってしまった。
それでも彼女を想い、悩んで買った贈り物だった。
「開けてもいいんですか?」
「勿論です。君の為に買ったものだから」
プレゼントのリボンを解く彼女の指が震える。
箱の中を覗き込むと、驚いたように顔を上げた。
「可愛い……指輪ですか?」