【完】夢見るマリアージュ
一年後。

一年後。




太陽の光に手のひらをかざすと、小指にはめられた指輪のピンク色の石がキラキラと輝いた。

「綺麗……」

この一年。
北斗さんと過ごした日々は幸せな事ばかりだった。
いつまでも幸せが逃げて行かないように、彼がくれたプレゼント通り。

しかしこれが指輪の力だけではない事を知っている。 北斗さんがこの一年変わらぬ優しさをくれて私を包み込んでくれたからだ。

そして私がそんな北斗さんの隣にいる女性として相応しい人間であろうとしたからだ。

愛は努力の中で生まれる。

北斗さんと付き合って半年頃、私は彼と母に会いに行った。
私がまさか男性を連れて来るとは夢にも思わなかったのだろう。母ははじめ渋い顔をしていた。

それでも意思ははっきりしていた。
私は母の言われたようにもう生きれない。 そうはっきりと伝えたら、驚かれた。

しかし北斗さんの人柄もあってか、案外あっさりと私と北斗さんの交際は認めて貰う事が出来た。

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