【完】夢見るマリアージュ
「いや。くくッ。ごめん。
城田さんって俺の飼っているうさぎに似てるんだ。」
「うさぎ?」
「うん、真っ白で小さくてすごく可愛いの。 憶病なんだけどね、それがまた可愛くって」
「じゃあ、私に全然似てないじゃないですか…。憶病っていうのは…似ているかもしれないけど」
「本当に似てるんだから、初めて会った時から似てるなあって思ったもん。
あ、写真見る?すっごく可愛くってびっくりしちゃうから」
こくんと彼女が頷いたと同時に、電車が大きく揺れる。 人にぶつからないように彼女を守ると、胸の中真っ赤になった城田さんはぷるぷると震えていた。
その反応もリリーにそっくりだ。
それにしても僅かに触れ合っている肌の部分が温かい。
どちらかといえば痩せ型というよりぽっちゃりしている彼女が胸の中に居ると
思わず引き寄せてすっぽりとその中に入れたくなるような衝動に駆られた。 …なんだか、可愛らしい子だ。