【完】夢見るマリアージュ

何となく気まずくなってしまって、返された携帯をポケットの中にしまうと城田さんは少し離れてゆっくりと歩いていた。

「城田さんの趣味は何?」

「趣味…ですか?
あんまり趣味らしい趣味はないんですけど
私お菓子作りが好きです。 って、そういう趣味だからこんなに太っているわけだけど…」
「お菓子?!」

ついつい食い気味に言うと、明らかに城田さんがドン引きしたのが分かった。
’お菓子’というワードについつい反応してしまい、またまた気遣いを怠ってしまった。

「いやいや、城田さん全然太ってないよ。」

「太ってますよ……」

「リリーもお腹がぷにぷにしてて可愛いよ」

いやいや、これはフォローになっていないか。
しかしお菓子作りが趣味とは実に興味深い。  その言葉を聞いて、思わずソワソワしてしまう。

なんせ俺の趣味もうさぎとスイーツ作りだ。 まるで乙女のような趣味で、あんまり人に言わない事だけど仲間を見つけるとついつい嬉しくなってしまう。

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