【完】夢見るマリアージュ

途端にパアッと表情が明るくなる。 一瞬目を細めてしまったのは、真っ直ぐすぎる彼女の笑顔が余りにも眩しかったからだ。

コンタクトに変えたせいなのだろうか。前よりも表情がよく見えるようになった。

リリーに似ていて可愛らしい人だな、とは最初から思っていた。  けれども元から持っていた目鼻立ちだって、実は悪くなかったりする。

「私、今鞄持ってきます…!」

パタパタと駆け出して行った彼女の後ろ姿を見つめて、心臓のドキドキを押さえつけるように胸に手を充てた。

―――――

いつの間にか金曜日が待ち遠しくなって、こんなに楽しみになっていたんだ。

仕事が終わった後に、城田さんと過ごすひと時は日常の疲れを癒してくれる不思議な空気感があった。

「北斗さんに作って来たんです」

「おお…!これは…!」

「シュークリーム。実は初挑戦だったりします。
色々なレシピサイト見ていてもシュークリームは難しいって聞いていて…
ちゃんと膨らむかなあと思ったんですが、思っていたより上手に出来て。」

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