ふたつ名の令嬢と龍の託宣
◇
ぱちっと目が覚めると、そこには心配そうにのぞき込んでいるエラの顔があった。見知らぬ天井が目に入る。あのあと王城の客間に通されて、着替えもせずに少し眠ってしまったようだ。
「ああ、お嬢様。ご気分はいかがですか? お腹はすいておりませんか?」
おろおろとしているエラに、リーゼロッテは微笑みかけた。
「大丈夫よ、エラ。ごめんなさい、心配をかけたわね」
ふかふかのベッドから体を起こして時計を見ると、夕刻を少し過ぎた頃、お屋敷での晩餐の前くらいの時間だった。いつもならお腹がく~く~なっている時間帯だ。
「あら……不思議とお腹がすいてないわ」
常に腹ペコなのも、あの異形のせいだったのかもしれない。数時間眠っただけなのに、やたらとすっきりしている。万年寝不足を感じていたリーゼロッテにとっては、久しぶりの感覚だった。
リーゼロッテの胸元で、ペンダントの石の青が揺らめいた。
(……これも守り石のおかげなのかしら?)
ぱちっと目が覚めると、そこには心配そうにのぞき込んでいるエラの顔があった。見知らぬ天井が目に入る。あのあと王城の客間に通されて、着替えもせずに少し眠ってしまったようだ。
「ああ、お嬢様。ご気分はいかがですか? お腹はすいておりませんか?」
おろおろとしているエラに、リーゼロッテは微笑みかけた。
「大丈夫よ、エラ。ごめんなさい、心配をかけたわね」
ふかふかのベッドから体を起こして時計を見ると、夕刻を少し過ぎた頃、お屋敷での晩餐の前くらいの時間だった。いつもならお腹がく~く~なっている時間帯だ。
「あら……不思議とお腹がすいてないわ」
常に腹ペコなのも、あの異形のせいだったのかもしれない。数時間眠っただけなのに、やたらとすっきりしている。万年寝不足を感じていたリーゼロッテにとっては、久しぶりの感覚だった。
リーゼロッテの胸元で、ペンダントの石の青が揺らめいた。
(……これも守り石のおかげなのかしら?)