ふたつ名の令嬢と龍の託宣
居間に行くと、アンネマリーが腰かけたソファからすぐに立ち上がった。
「ああ、リーゼ、思ったより顔色がよくて安心したわ」
「アンネマリー様、ご心配をおかけしました」
アンネマリーにぎゅっと抱きしめられる。
「様はいらないわ。昔みたいに名前で呼んでちょうだい」
「はい、アンネマリー。大好きですわ」
はにかむリーゼロッテに、「なにこれ、可愛すぎるわ」とアンネマリーはさらに強く抱きしめた。するりとリーゼロッテの髪を梳くようになでる。自分の毛量の多いくせっ毛と違って、リーゼロッテの蜂蜜色の髪は艶やかで、いつまでも触っていたいくらいほど触り心地がよかった。
アンネマリーはわざと家の馬車を帰して、王城にとどまったのだという。時間も遅いので、アンネマリーも王城に泊めてもらうことになったそうだ。ソファに座って、紅茶を飲みながら話を続けた。
「でも、この部屋とは離れた客間のようなの」
アンネマリーは、調度品が豪華で無駄に広く、とてもきらびやかな客間に通された。急ごしらえに提供する部屋には思えなかったのだが、明日には帰る身。あまり深いことは考えなかった。
「どうしてもリーゼに会って安心したかったから、無理を言ってこちらに案内してもらったのよ」
そう言うと、アンネマリーはリーゼロッテの手を取った。
「ああ、リーゼ、思ったより顔色がよくて安心したわ」
「アンネマリー様、ご心配をおかけしました」
アンネマリーにぎゅっと抱きしめられる。
「様はいらないわ。昔みたいに名前で呼んでちょうだい」
「はい、アンネマリー。大好きですわ」
はにかむリーゼロッテに、「なにこれ、可愛すぎるわ」とアンネマリーはさらに強く抱きしめた。するりとリーゼロッテの髪を梳くようになでる。自分の毛量の多いくせっ毛と違って、リーゼロッテの蜂蜜色の髪は艶やかで、いつまでも触っていたいくらいほど触り心地がよかった。
アンネマリーはわざと家の馬車を帰して、王城にとどまったのだという。時間も遅いので、アンネマリーも王城に泊めてもらうことになったそうだ。ソファに座って、紅茶を飲みながら話を続けた。
「でも、この部屋とは離れた客間のようなの」
アンネマリーは、調度品が豪華で無駄に広く、とてもきらびやかな客間に通された。急ごしらえに提供する部屋には思えなかったのだが、明日には帰る身。あまり深いことは考えなかった。
「どうしてもリーゼに会って安心したかったから、無理を言ってこちらに案内してもらったのよ」
そう言うと、アンネマリーはリーゼロッテの手を取った。