総長様の溺愛は、甘すぎます。
「当たり前。そしたら佑香と戦うことになるな。」

「そ、そうですね。」

正直な事をいうと、勝てる気がしない。凌さんからの気迫がすごい。

「俺の願い聞いてくれるんだよな?」

「え、わ、私に何か願いがあるなら…」

「むしろ、佑香にしか願いとかない。」

っ!?こ、こんなの言われたら世界中の女の子はみんな落ちちゃうよっ、私はおこがましすぎて無理だけど…

茹でたこみたいにしゅ〜と顔が赤くなっていくのが自分でも分かる。

「凌さん…そろそろ…」

「ん。じゃあ、ちゃんと俺のこと見てろよ。」

「分かりました…。」


そうやって始まった試合は…凌さんの圧勝だった。

「っ、凌さんに勝てますかね…?」

不安で仕方なくて白銀さんに声をかけると、あきらかに白銀さんは闘争心を燃やしていた。

「絶対勝つ。そしたら花衣に願い聞いてもらう。」

えっ、?白銀さんも私にお願いがあるのっ?
そんなの無条件で全然聞きますよ…?

< 128 / 302 >

この作品をシェア

pagetop