総長様の溺愛は、甘すぎます。
「っ、」

ダメ、凌さんの顔見れない。絶対赤くなってる。意識…してるに決まってる…。

凌さんがきつく抱きしめていた腕を緩くしてくれた拍子に私はベタっと、地面に座りこんでしまった。

顔を上げられなくて、砂浜に目を向けると、そこには、キラキラと光った小さなガラスのようなものが落ちていた。

角がとれてて、丸い石みたいな感じ。

「これ…」

私はそっと、それを手に取った。

ピンク色だ…綺麗…。よく見るとこれ、丸より、ハートに見える…

「シーグラス」

「へっ?」

突然の凌さんの声に私は恥ずかしさなんて忘れて、振り向いてしまった。

その瞬間、逃げないようにと、頬を凌さんの手で挟まれた。

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