総長様の溺愛は、甘すぎます。
佑香が、ちゃんとペンションに入るのを見届けてから、俺は準備にとりかかった。

─そして─

「佑香、準備出来たぞ。」

「は、い!」

ドア越しに声をかけると、佑香はすぐに出てきた。

「任せっきりで、申し訳ありませんでした。」

「…佑香は今日、謝るの禁止。」

「え、あ、はい…」

「じゃあ、…凌さん。ありがとうございます。」

「俺にはお礼なんかいらない。」

佑香にお礼を言われると、照れくさくなるから。

佑香は、困ったように笑いながら、俺の後についてこようとした。

そんな佑香の手を俺はすぐにとって、絡めた。
いわゆる、恋人つなぎとかいうやつ。

「行くぞ。」

容赦しないって言ったからな。

俺たちは、竜たちの元へ向かった。
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