総長様の溺愛は、甘すぎます。
少し歩いていくと、確かに最初、長谷部さんに案内してもらった部屋の前に着いた。

「あっ!ここ!ありがとうございます!
凌さん!」

思わず笑顔がこぼれる。すると、凌さんは私から目をそらして、ただそっと頷いた。

「ていうか、俺の部屋と近いんだな。俺、そこだから。」

凌さんが、指さしたのは、この部屋の隣の隣の部屋。

えっ!近いっ!

「凌さん、なんで私、オルゴールの音が聴こえたんでしょうか?」

とっさに気になっていたことを尋ねてみた。

「反対側の隣の部屋、一定の時間になると、決まってなるんだ。」

「そう…なんですね…」

素敵だな…私が聴いたその音色は心の汚れをとってくれるような心にスっと入ってくるようだった。 また、聴けるかな…

「なんかあったら、言えよ?じゃあ、」

「はい、おやすみなさい。」

私は凌さんとわかれ、部屋に入った。
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