総長様の溺愛は、甘すぎます。
「そういうの初心だと思ってた。」

「え、?あ、凌さんにもやられたことあって…あ!もしかして、違った!?ごめんね!」

恥ずかしい…気まずくて、パッと手を離す。

「…凌さん、か…。今日は名前出すのやめてね。それに、手。間違ってないから。」

さっき離した私の手は、聖良くんによって簡単に奪われる。

「混んでるから、離れないでね。」

「うん、ごめんね。ありがとう。」

私は聖良くんの歩くままに着いて行った。
それにしても…

「聖良くん、背高いね。180ぐらい?」

「えっ?あ、180もいってない。177。」

「そうなんだ、ごめんね。触れない方が良かった話だったりする…?」

「いや。全く。ねぇ、佑香はさ。」
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