総長様の溺愛は、甘すぎます。

17(好きに気づく瞬間)

17 (好きに気づく瞬間)

「ただいま…戻りました。」

玄関で靴を脱いで、上がると、すぐに凌さんがかけてきた。

「佑香!」

「凌さん…ごめんなさい。遅くなってしまって。」

「心配した。だけど、無事で良かった。」

もう8時半。本当はもう少し早く帰るつもりだったのに…やっちゃった…。

「佑香…?なんでそんな泣きそうな顔で…」

凌さんの心配してくれている声が頭上からふってきて、なぜか分からないけど、私の目からは涙が溢れ出てしまった。

「え、怒って…ないよ…?」

もっともっと優しい口調に変わる凌さん。

今の私にとっては逆効果かもしれない…。

「佑香、リビングにおいで。」

「はい、…」
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