総長様の溺愛は、甘すぎます。
あいつもあいつで、佑香のこと泣かせる奴は許さないっていう感じだったけど…。

もしあいつに泣かされたんだとしたら…

『傷つけられた訳じゃない』それは本当なのか。いつもの佑香の優しさじゃないのか…

あいつ、佑香に嫌われる覚悟で何かやったんだな。

「あの、凌さん」

えっ、佑香。もう出たのか。

「早かったな。」

「あ、はい…あの、ご飯食べましたか?」

「あ、あぁ。黎が作ってくれた。」

「そうだったんですね。ごめんなさい、作れなくて。」

そんな…事まで佑香は気にするのか…。

「佑香は?食べたのか?」

「えっと、お昼でお腹いっぱいになってしまいまして…。」

「そっか。」

ぎこちなく笑う佑香の髪の毛はまだ乾かしてないらしく、濡れている。
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