総長様の溺愛は、甘すぎます。
そっか、…

っっ、ダメっ、泣いたら私の負けになる。


「わ、私、これで失礼します。」

「うん、じゃあね。」


─文月家にて─

「長谷部さんっ!」

「は、いっ?お帰りなさいませ、花衣様。
今日は凌様と花火大会に行かれるのではなかったのですか?」

「あ、それはなしに…」

「そうなんですか、凌様、とても楽しみにされていたようでしたから。」

嘘…楽しみに…していてくれてたの…?

「凌さんはっ!?今…どこに…」

「分かりません。もしかしたら、1人で行かれたかもしれません…。」

…私の意思が揺らいでしまう前に凌さんに伝えなきゃ…ごめんなさい…

でも、その前に長谷部さんに…

「長谷部さん、あの、…お話しがあります。」
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