総長様の溺愛は、甘すぎます。
「はい…」

「今度埋め合わせしような。」

「…っ、」

嬉しいのに…素直に返事が出来ない…。

「佑香…?」

心配そうな声色の凌さんが名前を呼ぶけど、『はい』と言えない。

「楽しみ…です。」

私の返事に凌さんは目を細めて、優しく笑うと、だんだんと重いまぶたを閉じていった。

「おやすみなさい。」

綺麗な凌さんの寝顔を見て、私の心臓は激しく痛んだ。

…本当、凌さんの顔って、本当にこの世に存在するのかって、自分の目を疑うぐらい、整ってるな…。

もちろんそれだけじゃない。

凌さんは、すごく誠実な人。

そんな人が…なんで、私なんかに優しくしてくれるんだろう。

好きな気持ち、消し去ろうとしても、無理なんです。

だって、私…凌さんの嫌いなところなんてないんです…

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