総長様の溺愛は、甘すぎます。
家の中へ入ると、凌さんのお母さんは大きな声で凌さんを呼んだ。

「凌〜〜!!」

その声に凌さんは少しだるそうにしながらやって来て、私たちを見て、何故か私を自分の方へ抱き寄せた。

「へっ?」

「何で母さんが佑香と一緒にいるんだよ。」

「街で会ったのよ。ね?佑香ちゃん。」

「は、はい!」

凌さんは納得のいかないような表情を浮かべている。

「私は凌に話があるの。」

凌さんのお母さんは凛とした瞳で凌さんに真っ直ぐ伝えた。

「佑香ちゃんは自分の部屋で休んでていいからね?」

「え、あ、ありがとうございます…。」

この場にいたらダメな雰囲気が漂っていて、私は急いで部屋へ戻った。
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