総長様の溺愛は、甘すぎます。
凌さんのお母さんはやっぱり忙しいみたいで、すぐにお仕事へ向かった。

「凌さん、終わりました。」

凌さんの部屋のドア越しに声をかけると、凌さんはすぐに出てきて、優しく眉毛を下げて私の頭を撫でてくれた。

「甘い匂いがする…。」

「え、あ、スイーツいっぱい食べたから…。」

「へぇ〜、」

「凌さんは、甘いの嫌いですか?」

そう尋ねると、凌さんは私をジッと見つめてから、甘い言葉を囁いた。

「佑香が好きなら好き。」

「っっ!!」

「佑香、来週の体育祭、俺だけ見てて。」

体育祭……??そっか、もう来週!私、運動苦手なんだよなぁ…。

凌さんは絶対得意だよね。

「応援してますね!!」

この学園は体育祭はいくつかの団で分かれていて、1.2.3年のS.Aクラスは青団だった。

だから運良く凌さんとは同じ団。
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