総長様の溺愛は、甘すぎます。
今しかないっ、凌さんの元に行きたい…

応援席まで戻る。

みんな圧倒されたのか、少し遅れて、青団勝利のアナウンスが流れた。

「只今より、お昼休憩となります。」

午前の部が終了した。これで対抗競技も終わり。もうこの時点でどの団が勝ったのかは決まっているけど、その発表は最後になる。

人が立ち始めて、更に凌さんがどこにいるのかは分からなくなる。

「凌さん…」

誰にも聞こえないぐらいの小さな声で名前を呼ぶと、誰かに後ろから手を引かれた。

その後ろ姿を見て、すぐに凌さんだと分かる。

凌さんは何も言わずに、さっきまで私がいたLUPUSの幹部さん専用の場所に連れていってくれた。

そこにはもう白銀さんと水無月さんの姿はなくて、人が多い体育祭の中で、私と凌さんは2人きりだった。
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