総長様の溺愛は、甘すぎます。
人混みの奥の方にチラリと凌さんの姿が見えた。しかも、目があった気がする…

そんな凌さんは、人混みをかき分けてこちらへ歩いて来ると、私の前で止まった。

「佑香…」

ふわっと優しく笑った凌さんに悲鳴がまきおこった。

「誰!?あの女!?」

凌さんの視線はチラリと聖良くんにうつる。

「あっ!凌さん、こちら、私の幼なじみの、」

「白石 聖良です。」

聖良くんは、凌さんに向けて、自分の名前を告げた。

「幼なじみ…??」

「はいっ!今日、久しぶりに再会して!」

「そうか。佑香が嬉しいなら、それでいい。」

凌さん…

「そのオムライス、うまいか?」

「え?あ、すごく美味しいです!」

そんな私に、凌さんは、目を細めて笑うと、私の向かいの席に座った。

「終わったら、話したいことがある。」

「あ、分かりました!」

「ゆっくりでいいからな。」

凌さんは、私が食べ終わるまで、静かに待っていてくれた。



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