総長様の溺愛は、甘すぎます。

ふー……土曜日…今日は、とうとう、お引越しの日…と言っていいのかな？

荷物は先に送って貰ったから、今は貴重品の入った、小さいバックしか、持っていない。

私はそのバックを肩にかけて、玄関で靴を履き、お母さんと過ごしたこの部屋に一礼した。

「ありがとうございました。」

スゥーと深く息を吸い、私はアパートをあとにした。


「えっ…何、ここ……！？」

地図を見ながら、1時間かけて着いたその場所にはとてつもなく、大きな洋風なお屋敷がたっていた。

「えっ？ほんとにここであってる？」

何度も確認するけど、表札には、『文月』 確かにここであっていて…

よ、よし……意をけして、大きな門の隣にあった、インターホンを指で押した。

すると、すぐに、門の向こう側の長い道から男性がかけて来てくれた。

「花衣様ですか？」

その人は門まで来ると、門を開けて、優しい声色で、私にたずねた。

もしかして…長谷部さん…？

「花衣です。あのっ、長谷部さんですか？」

長谷部さんは意外にもラフな格好をしていて、しかも見た目は高校生くらい…

「長谷部です。僕も高２ですよ笑」

「そうなんですね！すごく若く見えて…」

「ありがとうございます。」