総長様の溺愛は、甘すぎます。

これまた広い部屋に入って、運んで貰った段ボールを開けて、私は荷物の整理を始めた。

しばらくして、何時だろう…と思って顔をあげると壁掛けの時計は、7時を指していた。もう、こんな時間なんだ…

すると、コンコンとドアをノックされて、その向こう側からは、長谷部さんの声が聞こえた。

「花衣様、凌様が帰って来ました。」

「分かりました！すぐ行きます！」

とっさに鏡を見て、ササッと乱れていた見た目を整えると私は、静かに部屋のドアを開けた。

「あ、花衣様、」

ドアを開けると長谷部さんが待っててくれていた。

「ありがとうございます！」

「いえ、では行きましょうか。」

私は、長谷部さんに連れられて、リビングへ向かう。

「凌様、こちら、花衣様です。」

リビングへ着いて、その…凌さん？を初めて見た時、息をのんだ。

この世にこんな美しい容姿の人がいるのかと、一言で言うならそう、2次元から出てきたみたいな…

でも、それより驚いたのは、その人がバッ！と立って、私の名前を呼んだ事だった。

「ゆうか…」

って…