総長様の溺愛は、甘すぎます。
「へ……??」

誰も話さず、少しの間沈黙に陥る。

「それよりさ、花衣に話があるんじゃねぇの?」

それを破ったのは、九条さんだった。

私に……話…?

「ああ、そうだな。」

しゃがみこんでいた凌さんは、顔だけあげて、上目遣いのようなかたちで私を見上げた。

「佑香…夏やりたい事あるか?」

「やりたい事ですか?」

夏…という言葉から連想されたのは…

『夏祭り』 『海』 『花火』 とか…かな。

今までそんなに夏らしいこと経験してこなかったからな…というか、花火大会なんてテレビでしか見たことない…。

「私、そんなに今まで夏らしいことしてこなくて…でも、花火大会とかいつかは行ってみたいなって思ってます…。」

「え…?もしかして、佑香、花火大会行ったことないのか?じゃあ、ペンションとかは…?」

ペンション…?あんまり想像出来ない。
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