総長様の溺愛は、甘すぎます。
「花火大会は、行ったことないです。ペンションは…あんまり知らないです。」

「マジか…。…竜、夏の予定決まったわ。また、連絡する。」

「え?あぁ、分かった。」

凌さんは、竜さんにそれだけ伝えると、私の手をとる。

「えっ、?凌さん!?」

そして、そのまま何かを考えているかのように部屋を飛び出してしまった。

「佑香、帰るぞ。」

「えっ、?あ、はいっ」

3年生と2年生では、下駄箱が違うから、1度凌さんとわかれて、校門で待ち合わせと口約束をする。

凌さんを待たせてはいけない、と駆け足で下駄箱に向かい、靴に履き替えようとした時…

後ろからかなりの力で右腕を引っ張られた。

「きゃっ!!」

強引に引っ張られたまま、私は近くの空き教室に連れて行かれた。

「だ、誰ですか、?」

恐る恐る顔をあげるとそこには、いつだかの『彼』が立っていた。

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