総長様の溺愛は、甘すぎます。
凌さんは、きっとそんな私の性格を知ってるから、無理に『これは、これは』とおしつけたりしない。

それがどれほど助かっているか…

チラチラと、店内の色んな所に視線を向けるけど、なかなかピンとこない。

やがて、お店の奥に辿りつくと、そこにはポツンと1着だけ凄く薄い水色にクリーム色が混ざったような、ふわりとしたワンピースがあった。

首元はレースになっていて、白いリボンがついている。

おまけに袖もレース状になっている。

一目見た瞬間、心がときめいた。まるで、この服を探していたかのように…運命だと、思った。

「こ、これ……」

「これか、分かった。試着してみるか?」

「あっ、えっと、ちょっと待ってくださいっ」

これ、凄く高そう…いくらするのっ?

慌ててタグをとって、値段を確認する。

えっ、?5万っ!?そ、そんなするのっ?そんな服、買ったことない…

「凌さん!高すぎますっ!やっぱり、私……」
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