悪魔の僕は天使の君に恋をする
* * *

ルナは涼介の病室に立ち寄った。

勿論涼介のお見舞いのためだ。あわよくばハルに会えたら……と言う気持ちもあるが。


「こんにちは……」


病室に入ると、いつものようにハルと涼介が居た。


「あ、ルナだ!」


涼介の声に気がつき、ハルもルナの方を見る。

バチンと目が合って、ルナは気恥ずかしくて目をそらしてしまった。 


(ハルに明日来てくれるか聞くだけ……何もやましいことなんかない!)


ルナが心の中でそう唱えなえていると、ハルは不思議そうに首を傾げた。


「どうかした?」


「あ、いや!その……」


ルナは焦る気持ちを落ち着けようと深呼吸して口を開いた。


「……うちの高校、明日体育祭なんだけど、ハルも見に来るのかなって……」


するとハルは頷いて言った。


「あぁ……友達と見に行くつもりだよ」


「ほんとに!?」


ハルが来る!そう分かった途端嬉しくて胸がいっぱいになった。


「それがどうかしたの?」


「いや、えっと……僕リレー走るんだ。頑張るから、応援して欲しくて……」


ルナはしどろもどろになりながら本音を零した。


「そっか。分かった」
 

ハルはそう言うとニッと笑って言った。


「ルナのこと応援してるよ」


「……うん!」
    

すると、涼介が目を輝かせて言った。

 
「ルナ走るの?良いな~僕も走りたい!」


「うん。涼介君の分まで頑張るからね」


「1位になってね!絶対だよ!」


その言葉にルナはしっかりと頷いた。


(よし、明日は絶対優勝するぞ……!)

ルナはやる気をみなぎらせた。


< 39 / 120 >

この作品をシェア

pagetop