悪魔の僕は天使の君に恋をする
* * *

翌日、ルナと景太は南野女子高校の文化祭に向かった。


「結局、男2人で遊びに来ちゃったな」


「藤堂さんは衣装の最終確認があるみたいだし、雨宮さんは体調が悪いみたいだし……仕方ないよ」


「それもそうだな」


ルナが見た限り、景太に落ち込んでいる様子は見られなかった。それどころか、どことなく吹っ切れた雰囲気を感じる。


(雨宮さんが来ないって聞いて心配だったけど……大丈夫そうでよかった)


「ハルとはどこで待ち合わせなんだ?」


「玄関前だから、ここで良いはずだけど……」


「ルナ!花里君!」


後ろから声が聞こえて振り返ると、そこにはシンデレラの格好をしたハルが居た。

色素の薄い髪と白い肌に、青いドレスがよく映えていて綺麗だった。


(本物のお姫様みたいだ……)


「ハルのクラスも演劇をやるのか?」


「うん。ボク達はシンデレラをやるんだ。君達は?」


「俺達は白雪姫。俺が白雪姫で、ルナが王子をやるんだ」


「あはは!何それ面白そう!」


ハルは笑いながら涙を拭った。


「とにかく……ようこそ、南野女子高校文化祭へ。中を案内するよ」


ハルに連れられて、2人は校舎の中に入っていった。




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