悪魔の僕は天使の君に恋をする
「うそ!あれ花里君じゃない!?」


「ほんとだ!」


校舎に入ってすぐ、3人は景太のファン達に囲まれてしまった。


「花里君、うちのクラス寄ってかない?パンケーキあるよ!」


「うちのクラスの占いの館も寄って!」


「ていうか、ハルちゃん、花里君と知り合いだったの?教えてよ~!」


「お、おう……」


人だかりの中で、景太はすっかりたじろいでしまっていた。


「うちにも来て!」


「うちにも!」


「……分かった。全部行く」


景太は覚悟を決めたようだった。女子生徒達から黄色い声が上がる。


「ハル、ルナ、玄関で待ち合わせな」


それだけ言い残すと景太は連れて行かれてしまった。


「……じゃあ、ボク達も行こうか」


「う、うん!」


ハルとルナが歩き出そうとしたときだった。


「あの!黒崎君!」


眼鏡をかけた女子生徒が、ルナに声をかけた。


「はい?」


「あの、ずっと黒崎君のファンで……これからも応援してます!」


女子生徒はそう言ってぺこりとお辞儀をした。

まさか自分を応援でくれる人が居るとは。ルナはなんだか照れ臭かった。


「うん。ありがとう」


そう言って微笑むルナを見て、女子生徒は顔を赤くして友達のもとに走って行ってしまった。


「……なんだか照れるな」


そう言うルナの横顔を見て、ハルはなんだか面白くなかった。


(ボクだって、体育祭では応援してたし)


「ん?ハル、どうかしたの?」


ハルは呼びかけられてハッとした。


「何でもないよ!……行こう。君と行きたい展示があるんだ」








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