悪魔の僕は天使の君に恋をする
「重くない?」
「全然だよ」
ルナは階段を軽々と駆け下りた。
「ここだね」
ルナは保健室のドアを開けると、中には誰も居なかった。
「先生、見回りなのかも……」
「そっか……じゃあ、僕がやるよ」
ルナはハルを椅子に座らせると。棚にあった救急箱から湿布と包帯を取り出した。
「痛いの、ここ?」
「……うん」
ルナはハルの足首に湿布を貼った。
「包帯巻くけど、きつかったら言ってね」
「うん」
ルナはハルの足首に慣れた手つきで包帯を巻いていく。保健室には時計の秒針の音だけが聞こえていた。
「……はい。できた」
「ありがとう……慣れてるんだね」
「部活でよくテーピングを巻くからね」
「そっか……」
ハルは少し俯いて言った。
「助けてくれてありがとう。ボク、あんなこと言ったのに……」
ハルはそう言うと、ルナの方を見て笑った。
「格好よかったよ、ルナ」
ルナはその言葉を聞いて、顔が赤くなってるのを感じた。
「君は本当に優しいね」
すると、校内放送が入った。
『まもなく2年4組によるシンデレラの発表が始まります。対象の生徒は準備して下さい』
「いかなきゃ」
ハルは怪我をした足を庇いながら立ち上がった。
「足、大丈夫……?」
「うん。ルナが手当てしてくれたから」
そう言うとハルはニッと笑って言った。
「応援してね」
ハルが保健室を後にすると、その場にはルナが1人きりになった。
ハルの笑顔が脳裏に焼き付いていた。
『ルナ兄の使命は、大天使の娘を殺すことなんだから』
ふと、ヨルの言葉が蘇る。
(……僕は、悪魔だ)
それは変えられない事実だった。悪魔と人間は結ばれない。それはルナも分かっていた。しかし、ハルといると自分が悪魔だということをつい忘れてしまう。
(許されない恋でも、今だけは……)
ルナは保健室に佇んで1人思った。
「全然だよ」
ルナは階段を軽々と駆け下りた。
「ここだね」
ルナは保健室のドアを開けると、中には誰も居なかった。
「先生、見回りなのかも……」
「そっか……じゃあ、僕がやるよ」
ルナはハルを椅子に座らせると。棚にあった救急箱から湿布と包帯を取り出した。
「痛いの、ここ?」
「……うん」
ルナはハルの足首に湿布を貼った。
「包帯巻くけど、きつかったら言ってね」
「うん」
ルナはハルの足首に慣れた手つきで包帯を巻いていく。保健室には時計の秒針の音だけが聞こえていた。
「……はい。できた」
「ありがとう……慣れてるんだね」
「部活でよくテーピングを巻くからね」
「そっか……」
ハルは少し俯いて言った。
「助けてくれてありがとう。ボク、あんなこと言ったのに……」
ハルはそう言うと、ルナの方を見て笑った。
「格好よかったよ、ルナ」
ルナはその言葉を聞いて、顔が赤くなってるのを感じた。
「君は本当に優しいね」
すると、校内放送が入った。
『まもなく2年4組によるシンデレラの発表が始まります。対象の生徒は準備して下さい』
「いかなきゃ」
ハルは怪我をした足を庇いながら立ち上がった。
「足、大丈夫……?」
「うん。ルナが手当てしてくれたから」
そう言うとハルはニッと笑って言った。
「応援してね」
ハルが保健室を後にすると、その場にはルナが1人きりになった。
ハルの笑顔が脳裏に焼き付いていた。
『ルナ兄の使命は、大天使の娘を殺すことなんだから』
ふと、ヨルの言葉が蘇る。
(……僕は、悪魔だ)
それは変えられない事実だった。悪魔と人間は結ばれない。それはルナも分かっていた。しかし、ハルといると自分が悪魔だということをつい忘れてしまう。
(許されない恋でも、今だけは……)
ルナは保健室に佇んで1人思った。