悪魔の僕は天使の君に恋をする
ルナと景太はハルと別れて、帰り道を歩いていた。


「文化祭、楽しめたか?」


景太の問いかけに、ルナは今日のことを思い返した。

お化け屋敷では散々怖がり、挙げ句の果てには余裕がなくなってハルを驚かせてしまった。


「散々だった……」


「マジかよ」


……でも、保健室でのハルの笑顔を思い出すと、そんな今日にも意味はあったように思えた。


「……でも、良かったよ」


「そうなのか?よく分かんないけど、なら良かったな」


「景太はどうだった?」


ルナが尋ねると、景太は少し考え込んだ。


「……うん。楽しかったけど……何か足りない気がした」


「何か足りない?」


「ああ。いつも傍にあるような何かが……」


「それって、雨宮さんじゃない?」


ルナがそう言うと、景太はハッとした。


「そうかもしれない……」


「きっとそうだよ!」


すると景太は少し考えて、頷いた。


「俺、百合の家に寄ってくる。それで、話してくる」


「……そっか。頑張ってね、景太」


「おう」


景太はそう言って百合の家に向かって駆けだした。



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