悪魔の僕は天使の君に恋をする
* * *

「……白雪姫は王子様と結ばれ、いつまでも幸せに暮らしました」


「……はい、おっけー!みんなおつかれさま!」


委員長の声が響いた。今日は劇のリハーサルの日だった。


「花里君、演技上手くなったね!黒崎君も!」


「ありがとう委員長」


「放課後の特訓のお陰だな」


「じゃあ、明日に備えて今日は早めに切り上げよう。各自自分の役割を確認するように!では解散!」


委員長の声を合図に、生徒達が体育館を後にする。

景太はその流れと逆方向に進み、小道具を片付ける百合のもとに歩み寄った。
  

「百合、一緒に帰ろう」


ルナはその様子をハラハラしながら見守った。


(雨宮さんと景太、仲直りしたって聞いたけど、文化祭の準備で忙しくて、なかなか話せてなかったんだよな。大丈夫かな……)


しかし、ルナの心配とは裏腹に、百合はいつもと変わらない様子で頷いた。


「いいわよ」


ルナはそれを見てほっと胸をなで下ろした。   


「雨宮さん、少し元気が戻ったみたいですわ」


「そうだね」
 

ルナは菫に頷いた。


「景太も元気が戻ったみたいだし、よかったよ」


「後は明日、頑張るだけですわね」


「うん。」


いよいよ明日は文化祭だ。ハルも見に来ると言っていたし何としても成功させたい。


(この前は変なところ見せちゃったし、明日は格好いい所見せたいな……)


「ルナ、藤堂!一緒に帰ろうぜ!」


「あ、うん!」


「分かりましたわ!」


景太に呼ばれて、ルナ達は景太の元へと向かった。












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