私、お金持ちになっちゃいました!?
*刹那 side*
なんとなく分かってた。
そうなんじゃないかって。
目の前でごめんと謝る
彼女の心の中にあいつがいる
フラれるのは分かってたけど
いざ目の当たりにするとだいぶ辛い。
でも、千秋の気持ちを大事にしたい
千秋を守りたい…悲しませたくない
千秋の笑顔が大好きなんだ
千秋があいつを好きで
幸せになれるならば
俺は幼馴染以上になることを
諦めるしかないーーーーーー
ーーーーーーと思っていた矢先。
千秋の家の前で…
正確にはあいつの家の前で
あいつと知らない女が
キスしてるところを見てしまった…。
信じられないとでもいうような
何とも言えない表情をして
固まる千秋に気づいた奴が
「千秋!」
そう呼んだ瞬間
千秋は一目散に走り出したーーーーー。
「てめぇ!!」
俺はあいつの頬目掛けて
思いっきり拳を突き出す
ドカッ
鈍い音を立てて
地面に崩れ落ちる
そいつをキッと睨む
「千秋が好きなやつだから…千秋の幸せのためなら諦めるしかないと思ったけど…」
「………………」
何も言わずに俯くそいつに
さらにイライラが増す
言い訳すらできねえのか!?
「もう千秋に関わるなお前。泣かせるだけしか脳のねーやつに任せてらんねえわ」
それだけ言って
自分と千秋のカバンを持ち
千秋の後を追いかけたーーーーーー。