私、お金持ちになっちゃいました!?




行き先はなんとなく分かった。
千秋は嫌なことがあったり
悲しい時はいつも俺と一緒に
遊んでいた公園に行く



俺が最初に告白しようとして
邪魔された公園でもある。




公園に着くと…
千秋が崩れ落ちるように
地面にへたれこんだ




「千秋!」



声をかけて近寄る
大粒の涙を流しながら
俺を見上げる千秋



ズキンズキンズキン



ごめん。ごめん千秋。
俺が帰るなんて言わなければ
あんなもの見なくてすんだのに…



「もう…わかんないや」



こんな小さな体で
どれだけの想いを
胸に秘めていたのだろう



俺は思わず千秋を抱きしめる
その体はとても震えていた。



「綺羅に告白して、近づけたと思ってた。私を離したくないけど好きがなんなのかわからないって言った綺羅に好きを…愛を教えてあげたいと思った。」



泣きながら話す千秋を
ただひたすら抱きしめる
ことしかできなくて…



時々、嗚咽が混じり
言葉が掠れる




「待ってるつもりだった…綺羅が好きを知って、私に言ってくれるその日まで待ってるつもりだったのに…綺羅が私にくれた言葉はただの気まぐれだったのかな?」



ただの気まぐれで嫉妬したりなんかしない
仮にもしそうだとしたら全力でぶっ飛ばす。




でも、あいつ…
どうみても千秋のこと…



なのにハッキリしないで
うじうじしてあんなとこ見られて
すげーイライラするーーー。
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