私、お金持ちになっちゃいました!?
しばらく泣きじゃくったあと
落ち着いたのかそうじゃないのか
震えたまま俺にしがみつく
「刹那…苦しいよ…。あの人誰なんだろう…」
抱きしめたままの体制じゃ
千秋の顔は見えない
今はどんな顔してる?
「千秋、とりあえず俺ん家行くぞ」
千秋は小さく頷く
「立てるか?」
「うん…あれ?足に力入んないや」
あははと乾いた笑いをもらす
そんな悲しい笑顔は見たくない…
「仕方ねえな」
俺はヒョイっと千秋を
抱き上げたーーお姫様抱っこってやつ
「えっ!?」
いきなりのことでテンパった
千秋が顔を真っ赤にして慌てる
「可愛い」
そう言えば更に顔を
赤くして照れる…
本当可愛い。
好きすぎてやばい。
「せ、刹那!大丈夫、歩けるから!恥ずかしいし、下ろして!」
「無理。いーから大人しくしてろ」
俺はお姫様抱っこしたまま
公園からそう遠くない自宅へ向かったーーー。