私、お金持ちになっちゃいました!?



「ただいま」


「あら!刹那遅かったわね…って千秋ちゃん!?」



泣き腫らした千秋の顔を見て
驚いているのは俺の母親



「刹那ママお邪魔します」



「いらっしゃい!とりあえず入って入って!」



3人でリビングに向かうと
母さんが千秋をイスに座らせ
そのまま台所へと消えてった。



俺も千秋の隣に座り
しばらくすると母さんが
お盆に麦茶が入ったコップを
乗せてリビングまで戻ってきた。




「で、刹那…。あんたが泣かしたわけじゃないでしょーね?」




コップを置いて座るやいなや
とんでもないことを言いやがる



「は?バッ!ちげーよ!!」



「怪しい…。まぁ、いいわ。千秋ちゃん何があったか話せる?」




「あはは、2人とも相変わらずだね!話せるよ」



ここにきてやっと千秋は
おかしそうにクスクス笑う



やっぱ母さんはすげーや
俺にはできないことができる



昔から家族ぐるみで
付き合っていただけに
千秋は母さんのことを
本当に信頼してる



まるで自分の母親のように。



千秋には母親がいないのだ…。



「あのね…」



千秋が自分の身に起きた
出来事を包み隠さず話す



それを黙って聞く
俺と母さん…



話し終わってまた
ポロポロと泣き出した
千秋の側に行って



「そう…辛かったわね。頑張ったね千秋ちゃん」



抱きしめて頭を撫でる母さん。
でも何故か横目で俺に哀れみの
目を向けている



くっそ!うぜえ!!
だいたい俺千秋が好きなんて
母さんには一言も言ってないのに
分かりきった顔しやがって!!
< 121 / 238 >

この作品をシェア

pagetop