私、お金持ちになっちゃいました!?
その人はメイド服に身を包んだ
綺羅の腕に自分腕を絡めて
勝ち誇ったように私を見下ろす
「千秋…」
綺羅が私の名前を少し切なそうに
呼んだが正直、動揺と焦りと
胸の苦しさでそれどころではない
「あら?この間、私たちのキスを覗き見してた東雲さんだっけ?うちの綺羅素敵でしょ?」
やけに"うちの"を強く強調した
彼女の言葉にクラス中がどよめく。
「おい!栞!」
綺羅はそんな彼女を
キッと睨みつけた
栞さん…って言うんだ
ズキンズキンズキン
私以外にも名前で呼んだり
する人いたんだーーーーーーーー。
これ以上ここにいたらいけない
脳が危険信号を出してる
これ以上2人を見てしまったら
私はまた…
泣いてしまうから。