私、お金持ちになっちゃいました!?



私が返事をする前に
城島くんが話を続ける



「ついでに無自覚で無意識で鈍感って言われたりしない?」



ちょ、それ悪口!?
とか思いつつも
口には出さずに



「まあ、どれも松韻先生とか刹那に言われるかも?」



と曖昧に返したら



「やっぱり」



と即答されたーーーーーー



ーーーーーーーーーーーー



「まあ、いいやほら早く出るよ」



いつの間にか元の調子に
戻った城島くんが



歩き出したから私も
後ろについていく。



案外私たちがいたところから
出口は近かったようで
すぐ出ることができた



「あ、やば!そろそろ戻って午後の仕事やらないと!」



時計を見ると休憩時間終了
ギリギリで慌てて走り出す



去り際に私は


「今日は黙っててあげるけど明日はちゃんとやってねー!」



と手を振ると城島くんは
「はーい」 と言って
笑顔で振り返してきた。



千秋が廊下を走り去って言ったあと
廊下に1人ポツンと残された城島は



「ほんと…ちーちゃんってズルいよね。鈍感女。」



吐き捨てるように小さく呟いたーーー。
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