私、お金持ちになっちゃいました!?
「え?ちょっ…お前。今あいつのこと名前で呼ばなかった!?」
「えぇ?そぉ?知らなーい」
「は?いつからそんな仲良くなったんだよ?」
「さぁ?それより、栞さんもう許嫁じゃないってほんと?」
焦る綺羅の言葉を無視して
そんな質問をしてみる
「あ?…あ、あぁ…ほんとだけど?」
急に質問されたからなのか
それとも質問の意味が分かって
ないのか綺羅が小首を傾げる
「そっか…じゃあキスが誤解っていうのは?」
私がイタズラっぽく微笑むと
再び慌てだした綺羅が
「あ、あれは!無理やりされたんだよ!事故みたいなもんだ!」
必死になって説明したーーーーー。
ほんとに25歳か疑いたくなるほど
綺羅は子供で…今日たぶんきっと
彼の止まっていた歯車は
キシっと音を立てて回り始めた。
「そっか…よかった。」
私がふわりと微笑むと
綺羅はちょっと頬を赤くして
そっぽを向いたーーーーー。